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インドネシアあれこれ

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ウイルスの歴史と世界史変動の背景

現在起きている新型コロナコロナウイルス惨禍は世界、各国の政治・社会情勢を大きく激変させ、世界史の大きな変動の前触れとも思われる。過去に人類は何度もウイルス惨禍を経験しており、その度に世界史は書き換えられてきた経緯がある。ウイルスの人類に対する暴挙は偶然か、人為的なのか不明ではあるが、過去のグローバル期に起きた黒死病、所謂ペストの感染はパンデミックを惹き起こし、宗教革命にまで発展したと言われる。近現代のスペイン風邪は第一次世界大戦の早期終結、ドイツ皇帝、オーストリアのハプスブルグ家崩壊にも繋がり、生産と物流の停滞により各国、各地の国民・市民暴動、米騒動等に繋がった。エイズ以降の感染症の拡大は、鳥インフルエンザ、サーズ、マーズ等現下のコロナウイルスも遺伝子の突然変異による人感染になっているが、過去に起きたウイルスの歴史と世界史の変動を温故知新として再考察するへしと思われる。
1. 世界史でアレクサンダー大王がペスト菌を生物兵器として最初に使用
古代から疫病の歴史は世界史を変える程の影響があった。ペスト菌を生物兵器として最初に使用した歴史はアレクサンダー大王がフェニキア人国家のティルスを攻める時にペストで死んだマケドニア兵の衣服を敵の飲料用泉に投げ入れ、敵兵数千名が倒れ勝利したと伝えられている。(これはコロンブス新大陸発見以降、短期間にアメリカ大陸全土を制圧した手段と類似)
2.モンゴル軍が世界中に拡散したベスト菌
歴史家マクニールによれば、ペストは中国の雲南地方に侵入したモンゴル軍がペスト菌を媒介するノミと感染したネズミを通じてヨーロッパまで運ばれたとしている。実際にその感染ルートを説明しているのは弟子のジョン・ケリーで、ペストの感染拡大に重要な役割を果たしたのは15世紀モンゴル人がユーラシア大陸に創り上げた駅伝制度(ジャムチ、当時の高速通信網システム)で、古代シルクロードに沿った通信連絡網、中央アジアからイタリアに運ばれた毛皮についたノミが媒介しペストが北部イタリアで大流行し、住民の殆どが全滅している。
3.宗教革命、ルネサンスの背景とその原因はペスト(皮膚が黒く成るので黒死病と呼ばれた)
3.宗教革命、ルネサンスの背景とその原因はペスト(皮膚が黒く成るので黒死病と呼ばれた)
西欧ルネサンスを起こした原動力は黒死病と呼ばれるペストであったとの指摘がある。当時このペストによる一般人の死亡率は30%、医学を司ったカトリック司祭の死亡率は42%から45%に上り、教会が治療どころか、司祭が先に死んでゆく現実を目のあたりにして、大衆の教会と神への信頼が落ち始めカトリック教会の神権は大きく失墜して行った。これにより宗教革命がおこり、ネルサンス運動に繋がったと言われる。
4. スペイン風邪
第一次世界大戦中の1918年に始まったスペイン風邪の感染は、世界人口の30%、約5億人、死亡者は4000万人。日本でも内務省によれば、2300万人の感染、38万人の死亡者がでた。これにより世界各地では大きな社会政治的、経済的変動が起きた。第一次世界大戦の早期終結、ドイツ皇帝、オーストリアのハプスブルグ家崩壊にも繋がり、生産と物流の停滞により各国、各地の国民・市民暴動、日本では米騒動等に繋がったと言われる。
5.チャイナ・グローパリズムと新型コロナウイルスとの関係
今回のコロナウイルスの発生源は中国の武漢、そして全世界に拡散したのは中国人を初めグローバル世界の人の移動により短期間に大規模感染した。そして、感染被害がより深刻なのは欧米で、経済に及ぼす悪影響とその被害も甚大。マスクを始め、医療キット資機材、試薬原材料等殆どを中国等に依存している体制(より安価なものを作る為のコスト減)にも問題があった。逆に中国は医師・看護師団、医療機器・薬品・マスク等感染国に支援し、中国の影響(マスク外交)が増大、医療先進国と思われていた欧米諸国、特に米国の権威はアジア・アフリカ等に於いて失墜しつつある。
6.新型コロナウイルスと米中覇権争い
今後、世界は米中の覇権争いで不可逆的に激変する状況になると思われる。更にコロナウイルスの影響と地球環境の変化による食糧問題も発生する可能性がある。コロナウイルス対応は各国で政治的に利用され、米中は互いにウイルスを故意に利用したと批判、ソーシャルメディアで互いに相手国政府が生物化学兵器に使用したと中傷し合い、日本人の本庶佑(たすく)ノーベル医学・生理学賞を受賞した京大教授の名を語り、「新型コロナウイルスは中国の武漢の研究所で人工的に作られた」と発言したとする偽の情報すらインターネット上で世界中に拡散されている。
7. 新型コロナウイルスがもたらす悲惨な状況
具体的に新型コロナウイルス感染による犠牲者は移民家族、マイノリティー等社会の底辺層が多く、具体的コロナウイルス対策は米中の思惑、国連WHOの中国寄り姿勢、欧米の自国中心経済対策重視等一枚岩では無い。パンデミック社会は人・物の移動・流通が制限される反面、金融・資本の移動はグローバルIT・デジタル社会にあって高速通信回線を使い、富裕者は益々豊かになる一方、中間層以下の大衆は職を失い、益々貧困化している。何れにしても、世界情勢は政治・経済共に激変する兆しが表れているものである。