
グレート・リセットとは世界史の大変動 (今こそ、インドネシアの非同盟運動が大事)
- 世界は過去に何回もグレート・リセットの歴史があったが、今回のものも偶然にもウイルスパンデミックの発生と一致している。更に、ウクライナ戦争により資源とエネルギー、食糧の高騰により貧富の格差は拡大し、世界情勢は益々不穏な状況になっており、核戦争の恐怖も生じている。世界の資源と人口の中心を占めるアジアに在って、我々は世界の安定の維持のために何をすべきか改めて考える必要がある。そして、世界の非同盟諸国の雄であるインドネシアの役割は、今後、非常に重要であると考える。
- 1. グローバル時代とは世界史の大変動の過渡期
- 何れも大航海によるグローバル時代当時の人の移動、更にはモンゴル軍の西欧侵攻の際、世界的規模で人の流れが拡大するとき、ウイルスパンデミックが伴って発生し、世界は大変動した歴史がある。また、スペイン風邪は第一次世界大戦時に世界に蔓延、各国で民衆の暴動、戦時下でもあり、軍人と共に大衆は政権を倒した例がロマノフ王朝、ハプスブルグ家、ドイツ・プロイセン皇帝の崩壊。中国でも想像を絶する国民の生活苦よりの五四運動が発生、全国的な反日運動に発展。日本では米騒動が全国に発生し、社会不安は蔓延して行った。
- 2. ウイルスは古くから使われた生物兵器
- ウイルスは昔から生物兵器として使われていたと言われ、アレクサンダー大王がフェニキア人国家のティルスを攻める時にペストで死んだマケドニア兵の衣服を敵の飲料用泉に投げ入れ、敵兵数千名が倒れ勝利したと伝えられている。更に、スペイン人が短期間に中南米を制圧したのは、ペスト菌に全く抗体を持たない新大陸人がペスト菌に感染、社会は崩壊。
- 3. ウイルスと西欧ルネサンス
- 西欧ルネサンスを起こした原動力はペストであったとの指摘がある。当時医学を司ったカトリック司祭の死亡率は42%から45%に上り、教会が治療どころか、司祭が先に死んでゆく現実を目のあたりにして、大衆の教会と神への信頼が落ち始めカトリック教会の神権は大きく失墜して行ったことが背景にある。
- 4. 現代のパンデミックと新型コロナウイルス
- 現在、新型コロナウイルスは人のグローバル移動により、全世界的なパンデミック感染が発生。流通経済は止まり、庶民の生活は混乱、経済不安は政変を惹起させ、トランプ大統領選挙の暴動、米国の国内分裂と抗争が発生、コロナ下の郵便投票の結果、バイデンが勝利した。現在の世界的激変の要因として、コロナの他、IT、ソーシャルメディア、SNS、ネットの存在が世界を変えたと言える。SNS情報はコロナ・パンデミック感染以上に人人伝達と高速レベルの回転でフェイクも伝播され、世界は激変、混乱も拡大。今後、IT、ネットを活用した市民レベルの広報活動が活発化し、世界的グローバル規模で歴史の転換期を迎え、一気にウクライナ戦争から世界的規模の戦争になっている
- 5. 今後の世界予測
- 現在のウクライナ情勢は、次の台湾、中国問題等アジアに飛び火する問題と思われる。そして、アジアの軍拡競争は激しくなり、日本の軍事力は倍増されると言われている。現在のエネルギー・食糧の高騰、デフレ下のコロナウイルスに伴う、超インフレ現象。世相不安の中、アジアでは武力衝突の危険性は更に高くなると危惧される。また、現在発生しているウクライナ問題は、ひとえにプーチン政権の崩壊を意図しており、ウクライナ・ロシア間の紛争ではない。紛争・武力衝突状態の恒常化が続けば、第二のユーゴ、アフガン化現象が東欧に広がり、米、ロ、NATO間の妥協が無ければ、世界全体に相当規模の混乱が更に生じると危惧される。
- 6. インドネシアの役割
- インドネシアの近現代史の意義の確認が必要。インドネシアのパンチャシラ非同盟積極外交が求められている。中国は軍備増強、経済、技術、投資、貿易等全て米国を抜き去る目標を持っており、現在、最後の軍事力に取り掛かっている。アジア、アフリカの大半の資源は、中国は債務の債権化を通じて押さえていると言われる。インドネシアのニッケル、アルミ精錬、パーム、石炭、木材等は既に押さえられていると言われる。米国の利権である金鉱山、石油、LNG等にも手を付け始めていると言われ、インドネシア、アジアにおける米中の利権争いは更に激化、中台内戦状態は今も続いており、中国は武力等総合力で米国と関連国の力より劣勢な場合、武力行使は無いと思われるが、経済力・情報等非軍事ソフトパワーを用いて台湾、周辺アジア掌握する計画であると思われる。世界、アジアの平和は武力ではない、インドネシアのパンチャシラ・ハーモニー外交によるピープルズ・パワーで、国民外交だと考えるが、インドネシアの非同盟運動に根差した国民外交こそが今求められていると考える。