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インドネシアあれこれ

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中部スラウェシ州

1.州都
パル市
2.人口
3.021.879人
人口密度 48人/km2
3.面積
61,841 km2
4.宗教
イスラム教徒77.72%、新教プロテスタント16.98%、旧教カトリック0.82%、ヒンズー教徒 3.78% 、仏教徒0.15%
5.地理
中部スラウェシ州はスラウェシ島の中央部に位置、スラウェシ島で最大の面積を持つ州で、南スラウェシ州に次いで2番目に高い人口を有し、州北部はスラウェシ海とゴロンタロ州に接し、東はマルク州、南は西スラウェシ州に接し、中央は南スラウェシ州、南東は南東スラウェシ州と州境を接しており、西はマカッサル海峡に面している州。
6.特徴
中部スラウェシ州にはラフティングアリーナとして有名なラリアン川、グンバサ川、パル川など、いくつかの川があり、有名な観光スポットである湖、すなわちポソ湖とリンドゥ湖がある。スラウェシ島はウォーレス線が南北に走り、オセアニア・アジア地域のユニークな生物生態圏地帯で、ボルネオ島を境にアジアに広がる動植物生態とは大きく異なり、オーストラリアのオセアニアの動植物からパプアやティモール島までも異なるが、これらが同一地域に住んでいる地帯がスラウェシ島である。その動植物の生態特殊性をウォラセアとも呼ばれ、この理論はダーウィンの進化論の発見に貢献。スラウェシ島には独自の動植物がある。この島の典型的な動物は、バッファローのようなアノア、わずかに毛深く、口に牙を持つ豚、スラウェシ・トンケナモンキー、有袋類種のカラフルなスラウェシ有袋類のクスカス、そして熱い砂の上に卵を産むマレオ鳥等。スラウェシの森林には独自の特徴があり、この動植物の独自進化は科学的研究の重要対象であり、これら動植物を保護するため、中部スラウェシ州にはロアリンドゥ国立公園があり、モロワリ自然保護区、タンジュンアピ自然保護区、バンキリアンの野生生物保護区は自然保護区に指定されている。他方、軍事面では、パルにはインドネシア第二海軍方面司令部の地方司令基地があり、又、空軍基地及び陸軍訓練基地もパルとポソにあり、重要な軍事的拠点の州でもある。
7.歴史
16世紀、中部スラウェシにはゴア王国が存在、パル湾を背景に特にトゥ二バランガ王の治世下、ココナツオイルの生産地として栄えた。オランダは1830年以降、トミニ湾に頻繁に来航、中部スラウェシの重要性につき関心を持ちはじめ、1869年には全域を占領。其の後、この地域における英国の政治的・経済的影響力の広がりを予期し、バタビアのオランダ総督は地元の王や支配者と条約を締結し関係強化を図ったが、この背景には地元の王は部族アミニズム信仰者が多く、ゴロンタロの様にイスラムの影響が及ぶのを避けたと言われている。オランダ総督府はイスラムの影響に対する最も効果的な緩衝材として1892年オランダの宣教師をポソに派遣。1894年にはこの宣教師を地域行政官に任命。1905年以降、ポソに於いてオランダは軍事行動を開始、ほぼスラウェシ島全域を征服したが、これはウランデリ戦争と呼ばれ、別名「森林王国の征服」とも言われる。当時、中部スラウェシ地域は、東部の7つの王国と西部の8つの王国が存在、以降、オランダ東インド政府に隷属した。
8.経済
中部スラウェシ州の地下資源として重要なのはニッケル、石炭、安山岩等の鉱石。現在、ニッケルはEVの車載バッテリーの原材料として中国企業は現地でニッケル精錬工場を建設、本格的に生産を開始している。その為に、中部スラウェシ州パルには経済特区(SEZ)が設けられており、中部スラウェシ州の経済成長率は他州の成長率を上回っている。その他、中部スラウェシ州はインドネシアで最大のカカオ生産地でもあり急速な経済成長には注目すべきである。その他資源エネルギー分野では鉄鉱石、石油・天然ガス、金等を産出している。
9. 日本との関係
太平洋戦争開戦直後、日本軍はスラウェシ島北部より侵攻し、中部スラウェシに於いて王立オランダ領インド陸軍(KNIL)の激しい抵抗に遭遇、日本軍は100人以上の戦死者を出したと言われる。全土に総数85000人いたKNILは開戦当初は抵抗したが、以降は敗走し、戦いらしい戦闘は無くなった。理由はインドネシア人自身が日本軍に協力し、勝算が無いと判断したオランダは一目散にジャワ島に撤退した。その他、中部スラウェシ州にはスマトラからの影響と言われるヒンズー教時代の布の製織技術があり、これはバリ、インド、日本にも伝わっているパターン化された特別な技術のダブルイカット織りと言われる。