
北カリマンタン州
- 1.州都
- タンジュン・セロー市
- 2.人口
- 713.622人
人口密度 9人/km2 - 3.面積
- 75,467.70 km2
- 4.宗教
- イスラム教 73.06%、新教プロテスタント 20.18% 。旧教カトリック 6.05%、仏教徒 0.63% 、ヒンズー教徒 0.06% 。
- 5.地理
- 北カリマンタン州はカリマンタン島北部に位置。隣国マレーシア、すなわちサバ州とサラワク州に直接隣接。
- 6.特徴
- 北カリマンタン州は2013年4月22日、新しい州として設立され、州内のインフラ整備は急ピッチで推進中。ボルネオの歴史の中でサラワク州、サバ州、ブルネイを含むボルネオ島の北部の土地は、ヒンズー教時代からブルンガン・スルタンが成立する前まで、現在北カリマンタン州東部のキナバタンガン地域まで、ヌグリ・マランカンと呼ばれるベラウ州のマンダラ地域(所謂仏教ヒンズー混交地域)であった。後にヌグリ・マランカン北部(別名東サバ州)はブルネイのマンダラ地域領であると主張していたためベラウから切り離され、ブルネイによってスルタン国に入り、スルク族がこの地域に定住し始めた。後にイギリスはヌグリ・マランカンの北部を支配し、オランダはヌグリ・マランチャン(現在のカルタラ州)の南部を支配した。
- 7.歴史
- 北カリマンタン州となった地域は、プルンガン・スルタン国の旧領土。ブルンガン・スルタン国はス―ルー・スルタン国拡大の領域であった。しかし、バンジャール・サーガによればベラウ王国(ブルンガン・スルタンの同盟国)は、バンジャール・スルタン国がまだディパ王国(ヒンドゥー教)と呼ばれていた古代から、バンジャール・スルタン国の1地域であった。ブルンガンの土地はス―ルー・スルタン国とされていた。しかし、ブルンガンの土地は蘭領東インドになり、その後再びベラウの一部となった。後にブルンガンはブルネイ王の支配下にあったが、国はまだベラウ州に含まれたままであった。1787年、及び1826年に結ばれたバンジャール・スルタン国と蘭領東インド会社との間の合意に基づき、バンジャール・スルタン国はオランダの保護領となり、パンジャ―ル・ヴァザル州、ベラウ州等オランダに譲渡された。北カリマンタン州の住民は特色があり、カリマンタンの先住民族、すなわちダヤック族、バンジャ―ル族、プルンガンマレー族、ティドゥン族、クタイ族、バジャウ族、そしてジャワ人、マカッサル族、ブギス族、マンダル族、ブトン族などの移民グループなどの様々な民族に分かれている。更に、マドゥーラ族、トラジャ族、ゴロンタロ族、バウイアン族、カイリ族も住んでいる。
- 8.経済
- 北カリマンタン州の有望資源としては金、石油、石炭、鉱物、天然ガス、其の他、森林の富と希少な動植物相(国立公園)、水産資源、海水・淡水魚、農業、パームプランテーション等。他方、北カリマンタン州の子どもたちの教育は不十分で改善が必要。これは、国境地帯に住む住民がパームプランテーションで働いており、学校は住宅地から遠く離れているため、子どもたちが学校に行けない背景がある。水量が豊富な河川が多く、大規模水力発電建設(1000メガワット)が進められており、中国政府は早い段階から一帯一路開発プロジェクトとしてコミットしており、この大量水力発電電力は東カリマンタン州内に建設予定の新首都ヌサンタラの都市電力に用いられる計画である。
- 9.日本との関係
- 出光興産出資の出資、JBICの融資による北カリマンタン州マリナウ炭鉱開発はタラカン市で実施。しかし、首都ジャカルタ、現地NGOは沈殿池の一部決壊に伴う河川の汚染被害、また、先住民族の生活への影響などについて抗議。他方、生きものが豊かな北カリマンタン州沿岸部では、豊富な水や、平坦なその地形を活かしたエビの養殖が盛んで輸出先の大半は日本。ニチレイ水産は海岸部に広がるマングローブや、川ぞいの森をと破壊しない様、持続可能なエビの生産に取り組む養殖改善プロジェクトを実施している。ニチレイはエビ養殖業が、環境や社会に配慮した養殖業の基準を定めた、国際的な認証制度である「水産養殖管理協議会」の認証を取得。