
東ジャワ州経済産業概況
- 州経済産業概況
- (1)東ジャワ州には国家的規模の重要な多くの経済的拠点が存在している。最大のスラバヤ・バル造船所、マランの戦闘装備産業 PTピンダッド、マディウンの東南アジア最大の鉄道産業PTインカ、大規模タバコ工場(スラバヤのウィスミラック、クディリのグダンガラム、スラバヤとパスルアンのサンプルナ、マランのベントゥール等の巨大企業がある。グレシックには大規模石油工場、ペトロキミア、トゥバンには、インドネシア最大のセメント工場、すなわちセメンインドネシア(旧セメングレシック)等の巨大プロジェクトが存在している。その他、スラバヤ工業団地ルンクット、パスルアン工業団地、マディウン工業団地、モジョケルト工業団地(NIP)、シドアルのジャボン工業団地等もある。サトウキビ、タバコ、茶プランテーションの他、米の穀倉地帯も広がり、東ジャワ州の経済はインドネシアに取って戦略的観点からも非常に重要である。
(2)豊富な電力(水力、火力)を利用して、スハルト政権以降、多くの外資が進出、産業の成長と地域の発展がみられ、繊維、製薬、食品、製材、化学工場、自動車等多岐に亙り、スハルト政権初期は、大半は邦人企業の投資であった。 - 州資源概況
- (1)東ジャワ州は、その自然と地質構造のさまざまな利点を持ち、相当量の鉱物資源とエネルギー資源を生産しており、具体的には、石油、ガス、石炭、鉛、大理石、石灰岩、金、そして東ジャワ南部の山々に見られるカオリン(鉱石)等。東ジャワで未開発な地域としてバニュワンギ、ルマジャン、マラン、ブリタール、パチタン、ポノロゴ県があり、地下資源はまだまだ未採掘である。鉱山分野で石灰岩と同じくらい多くの粘土が含まれるドロマイト(苦灰石、白雲石)の生産量は大理石とほぼ同量の生産量を誇っている。
(2)東ジャワ州のナッツ・プランテーション生産は年間7トン。その他茶畑もあり、タバコ農園、ココア農園、バニラ農園、サトウキビ農園、カシューナッツ、ココナッツ等生産している。たばこの優良品は国内では出回らず、殆ど海外に輸出、特にブリタールからドイツブレーメンに西洋タバコの原材料として輸出している。
(3)インドネシア最大の石油生産プロジェクトの1つであるセブ・ブロックは、州内ボジョネゴロにある。州の発電は水力発電所(スタミ、スレレジョ、ブニング)、火力発電、地熱発電を含むPTジャワ・バリ電力公社によって管理されており、ジャワ・バリシステム系統に電気エネルギーを供給している。一部の地域では小型水力発電と太陽エネルギーを使用。さらに、東ジャワでは、金鉱山フリーポート社がインドネシア初の金鉱石精錬所をグレシックに建設中、この金の製錬所は世界最大規模である。
(4)東ジャワの天然資源で森林資源としては、生産林、保護林、保全林等分類され、チーク材、松、杉等製材として利用価値の高いものが多い。最大の林業の可能性はバニュワンギ地域にあり、ジェンベル、マラン、ボジョネゴロ、シトゥボンドのウィラヤジがそれに続きます。タバコ、ココア、バニラ、サトウキビ、ココナッツ等のプランテーションモ多く、多くの住民と肥沃な大地の利用により収益は大きい。漁業は淡水漁業と海洋漁業があり、エビ養殖、ウナギ養殖等外貨を多く稼いでいる。東ジャワ州はかなりのエネルギー資源の可能性が高く、地質的要因と自然構造の面で様々な利点があり、石油。天然ガスの含有量は投資に見合い、石灰、セメント、金などの鉱物材料も有望資源である。東ジャワは、18世紀後半から主にセブ地域、ボジョヌゴロから既に石油を生産していた。今は石油と天然ガスを生産、更に、1970年代年初頭以降、東ジャワ北海岸の油田からの石油生産量も増加し、1980年代後半からジャワ海岸の東沖の油田から天然ガス生産も増加している。 - 州投資ポテンシャリティー
- (1)東ジャワ州は中部ジャワから移動したヒンズー、仏教文化、更にはイスラム文化の歴史的建物が残っており、史実と共に現代まで話伝えられている地域が多い。何れも、観光地になっており、国際的観光のスポットにもなっている。クディリ王朝、アイルランガ王、マジャパイト王朝等の遺跡は各地に残っている。東ジャワの宗教観光は有望である。東ジャワ州の観光名所は需要が高まりつつあり、過去3年間で、東ジャワに立ち寄る観光客の数が急速に増加。少なくとも、年間5200万人以上(国内外)の観光客が訪れている。
(2)アルゴプロ山とカユマス村の斜面の1,400ヘクタールの土地を有するコーヒー農園公社は東ジャワコーヒーを開発。現在, ボンドウォソで生産、農園公社地域にコーヒー共和国を立てた。インドネシアには新しい「共和国」があると宣伝。新しい共和国は商品登録され、緊急コーヒーアグリビジネスエリアモデルとして開発。2015年にコーヒー生産を増やすという目標を策定、 全国のコーヒー生産を後押しする取り組みとして、政府はインドネシアの14の州と41の地区でコーヒーアグリビジネスの開発を推進し、この共和国は先駆的公社となった。
(3)インドネシアのコーヒー農園の面積は、ブラジルやベトナムと比較して最大。インドネシアのコーヒー生産地域は現在124万ヘクタール(ha)。ブラジルはわずか650千ヘクタール、ベトナムは420千ヘクタール。これは、国のコーヒー生産性により、インドネシアのコーヒー生産量が両国より劣っていることを意味。ブラジルのコーヒー生産性はヘクタールあたり6トン、ベトナムはヘクタールあたり2トン、インドネシアのコーヒー生産性はヘクタールあたり約740キログラム。理由はインドネシアのコーヒーは植物が古いため生産性が低いとの由。実際、種子の生産性が低いのである。後は病虫害対策の不備である。
(4) サウジアラビアは東ジャワの木炭を輸入。特に、スラバヤからは、月間26億7000万個相当の木炭が送られている。また、東ジャワの牛乳生産量は現在1日あたり1300トンに達しているが、州内需要の他、1日あたり700トン未満の酪農業界のニーズの牛乳を提供している。
(5) 漁業と海洋資源も東ジャワの非常に潜在的な天然資源である。東ジャワの水産物も、アジア、ヨーロッパ、アメリカのさまざまな国へ輸出されている。輸出される水産物には、冷凍エビ、冷凍カニ肉、イカ、冷凍タコ、魚の冷凍すり身、エビクラッカー、乾燥海藻。東ジャワの主な漁業生産地はラモンガン県。さらに、北部海岸線、マドゥラ島、東ジャワ南部のいくつかの地域も漁業が盛ん。他の漁業は、淡水漁業、池、ケージの中の養殖もある。