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インドネシアあれこれ

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北スマトラ州経済産業概況

州経済産業概況
(1)北スマトラ州の主要産業は、オレオケミカル、製造加工産業、大規模貿易・小売部門、自動車・二輪車の修理サービス産業、農林水産業、建設産業等がある。又、スマトラの商業の中心地帯として、輸出入貿易産業、輸送および倉庫産業、不動産産業、情報通信産業、教育サービス産業等がある。北スマトラ州からの輸出地域は、ヨーロッパ、北米、アフリカ、中東、アセアン諸国等。ヨーロッパへはコーヒー製品、加工食品、パーム(オレオケミカル)製品が中心で、アメリカへはゴム手袋、エビ、合板、家具、コーヒー、ココア、天然ゴム等が輸出されている。

(2)東海岸地域の農作物は、アブラヤシ、ゴム、ココア、トウモロコシ、ビンロウナッツ、ナツメグ等が生産され、西海岸では、海魚、エビ、海藻、加工魚産業が盛んである。高原地帯は野菜、果物、コーヒー、乳香(香木とも呼ばれ、沈香、白檀と並び、植物3大香木の一つ。 インドネシアの香木の歴史は古代より数千年に及び、香木はかつては黄金以上に貴重であった。香辛料と香料こそが大航海時代の切っ掛け)、樹脂、シナモン、パチュリ油等が有名。 

(3)世界最大のオレオケミカル会社ユニリーバは2015年から操業を開始、パームを原材料としてオレオケミカルとその派生産物等200種類を生産している。オレオケミカルは、バター、石鹸、リース、純植物性食用油、ポマード、化粧品などの加工材料に広く使用され、将来の再生可能エネルギーの代替品の1つでもある。

(4)メダンを中心としたスマトラ東部沿岸地域はアセアン経済成長の大三角地帯(IMT-GT Indonesia-Malaysia-Thailand Growth Triangle)と言われ、南タイのブーケット、マレーシアのペナン等、メダンを中心とするアチェ地域も含めた地域である。他方、小三角地帯はシンガポール・ジョホール・リャウである。
州資源概況
(1)北スマトラ州にはバトゥ・バラ県にて金、銅、石炭等豊富な地下資源を産出、その資源地域に隣接した工業団地開発を推進している、更に、豊富なパーム資源を活用した大規模国営農園公社がマラッカ海峡沿岸に存在している。

(2)州中央に位置する高原地帯は乾季でも夜間には降雨があり、又、火山帯が中央に走っていることから豊かな熱帯雨林と豊穣の大地が赤道直下に広がっており、スマトラの開発と発展はオランダ時代以降、州都メダンからプランテーション開発がスタートしこの地からジャグル開発から始まった。

(3)州中央には世界最大のカルデラ湖(湖水面は海抜1000メートル)があり、周辺は豊かな土壌の地として保たれ、ブラスタギの高原野菜、タパヌリのパイナップル、ドリアン等の良質の果物を育てている。更に、バタックのマンダイリン・コーヒーは有名である。

(4州内)パーム、ゴム農園を中心とする農園プランテーション資源はインドネシア国内随一である。クアラ・タンジュンとセイ・マンケイは、その近くに産業基盤と資源を擁しており、現在、イナルㇺ国営アルミ精錬会社、オレオケミカル・ウィルマー社、国営第三、第四農園公社、ロンスム社等の多くのプランテーション会社、および他のいくつかの産業があり、これらを中心に内外投資をこの地域に呼び込む原動力になっており、経済特区が開発され、工業団地が建設されている。
州投資ポテンシャリティー
(1)北スマトラ州経済の特徴は、東にマラッカ海峡、北にアチェ州、南にリアウ州、西にインド洋に接する戦略的な地理的位置にある点。産業経済発展の可能性は非常に大きく、赤道に近いこの州はあらゆる鉱物資源、農林資源、海洋資源に恵まれている。パーム油、ゴム、コーヒー、その他の産業はこの戦略的利点を背景に急速に成長している。天然資源に加えて、北スマトラ州には有料道路インフラ、鉄道、LRT、工業団地、観光開発など、経済成長に必要不可欠な他の開発も推進している。更に、近隣のシンガポールもインドネシア投資調整庁と一体となり、頻繁にインドネシア投資デー行事を行い、開発協力推進をコミットしている。

(2)北スマトラは数々の観光スポットがあることで知られている。例えば、東南アジア最大のカルデラ湖であるトバ湖、ブラスタギ高原リゾート、オラン・ウータン保護地があるブキット・ラワンやタンカハン・エコー・ツーリズム等がある。その他、州都であるメダンにはデリー王朝のスルタンが建てたマイムーン宮殿、イスラム大モスク、シャリ・マリアマン・ヒンズー寺院、マリア・アンナイ・ファレンカニ教会そしてアサム・クンバンのワニ園などがある。

(3)2020年8月25日、北スマトラ州政府は計7つの優先投資プロジェクトを内外の投資家に公表、7つのプロジェクトは、メダン・ビンジャイ・デリースルダンLRTプロジェクト、シアンタール・パラパット鉄道プロジェクト、デリースルダン・スポーツセンター・プロジェクト、トバ湖カルデラ・リゾート・プロジェクト、セイ・マンケイ総合地域開発プロジェクト、セイ・マンケイ経済特区プロジェクト、クアラ・タンジュン工業団地プロジェク等である。

(4)この内、非常に重要、且つ投資意義の高い2つのプロジェクトとして、セイ・マンケイ経済特区プロジェクトSEZとクアラ・タンジュン工業団地プロジェクトが挙げられる。北スマトラ州政府は大都市メダンに近く、シンガポール、マレーシアの対岸に位置するこの2つの地域を開発発展させ、可能な限り幅広い雇用機会を創出し、北スマトラ州経済の全体的競争力を高める乗数効果が期待されている。特に、重要な点として、クアラ・タンジュン工業団地とセイ・マンケイ経済特区には世界的規模の2つの主要な工場、すなわちセイ・マンケイのユニリーバ・オレオケミカル会社とクアラ・タンジュンのインドネシア・アサハン・アルミニウム国営企業(旧日イ合弁イナルム社)がある。

(5)セイ・マンケイ経済特区SEZとクアラ・タンジュン工業団地の周辺には、地域の経済の柱として重要な役割を担う別の工業団地があり、その一つがメダン工業団地(KIM)。セイ・マンケイ経済特区(SEZ)は2015年1月27日にジョコ・ウィドド大統領の手により発足したインドネシア初の経済特区。当初、セイ・マンケイSEZは、パーム油およびゴム産業を主たる産業とし、大規模かつ国際的な品質の下流パーム油およびゴム産業の発展の中心になることに焦点を当てていた。総面積2,002ヘクタールのセイ・マンケイSEZは、他の産業の育成、特に付加価値の高い下流部門の開発にも重点を移した。セイ・マンケイ経済特区は、第一港湾公社によってクアラ・タンジュン工業団地(KIKT)はクアラ・タンジュン港近域に建設、インドネシア西部地域の経済発展のハブとしてだけでなく、クアラ・タンジュン周辺の土地開発と産業成長を最適化し、新しい産業後背地の創出にも貢献。この地域には、国際的企業のウィルマー社、ロンスム社、国営農園プランテーションなどの多くの大規模なプランテーション会社があり、セイ・マンケイのユニリーバ社に原材料を提供している。