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北マルク州経済産業概況

州経済産業概況
(1)北マルク州は東部インドネシアへの外国投資の新しいプリマドンナ(主役)になると言われている。北マルク州への外国投資実績の増加は、インドネシア経済にとっても非常に重要事項で、2017年、北マルク州へのFDI(外国投資)投資実績は2億米ドル、他の州と比較して22位、その後、2018年には投資実績は3億6000万米ドル、18位に上昇。2019年、北マルク州での投資実績は急更に増し、10億米ドル、8番目に大きなFDI投資先にランクされた。正に、「東アジアの虎」の愛称で呼ばれるインドネシアは、この北マルク州の発展切り離せない。

(2)北マルク州は東部インドネシアの天然資源とエネルギーが豊富な州、地熱などの代替エネルギー源の多くの可能性があり中国の投資家が北マルク、正確には北ハルマヘラにニッケル工場を建設すると発表している。同工場では、電気自動車のエネルギー源となるリチウム電池の成分であるニッケルを加工。開発の初期段階では、フランスと協力した中国の投資は50億米ドルの資金を注入した。その後、リチウム電池工場の建設の第2段階に再び50億米ドルの投資資金を注入した。建設されるリチウムプラントは、ハルマヘラのニッケルベースプラントに関連しており、ニッケル鉱石を純粋なニッケルに加工しているが、バッテリー用のコバルトも同州で採集抽出している。
州資源概況
(1)北マルク州の鉱物資源として、ニッケルの他、金、銀、コバルト、銅、鉄、ウラン、石炭、アルミニウム/ボーキサイト、マグネサイト天然石、パワーストーン(主に肉体に作用する石)で、これらの天然石は身体の滞った老廃物を排泄し、栄養の循環サイクルを高めることで、体を良い状態に維持するためのサポート効果があると言われている。マルク諸島は最大のニッケル推定埋蔵量を擁し、ニッケル埋蔵量は全国の39%、銅は92.48%。ニッケルと銅はこの地域では非常に潜在的な資源、付加価値が高く、まだ競争力のある生産量には達していない。

(2)ニッケルと銅の鉱業製品の抽出は、一般的に生産結果に付加価値を提供するための処理プロセスを経ずに行われているため、地域経済の発展におけるこれらのセクターの貢献は最適ではない(過度の安価生産)。リチウム電池工場を建設する中国の投資家の参入はこの観点から実施されている。北マルク州のポテンシャルは無尽蔵に近く、1999年10月12日に正式に分離されたマルク州となって初めて開発探査が始まった。北マルク州は、大小805の島、約82の有人島、723の無人島からなる群島である。

(3)北マルク州の鉱業部門は北マルクで大きな経済ウエイトを占めている。現在、大規模鉱山会社が2社操業、中部ハルマへラ県のPT IWIP社と東ハルマへラ県のPTアネカタンバン社。北マルクからの600〜7,000億ルピアの採掘収益はすべてジャカルタに持ち込まれている。鉱業製品の利益は中央に行き、地域には一部しか渡らない。鉱業開発の結果は、地域の鉱業鉱物製品を共有する権利を含め、問題点等指摘されている。北マルクは天然資源が豊富な地域、しかし、人々は貧しい地域で、収益はすべてジャカルタに持ち込まれ、何も得られないと地域は不満を抱いている。地方は企業に対し収益の3分の1の額を地域へ分配するよう求めている。

(4)ルナテ税関によると、2022年の第1四半期、ハルマヘラ中央部のPT IWIP社はフェロニッケル(鉄とニッケルの合金)生産品の輸出額は31.1兆ルピア、ニッケル製品の総トン数は274千トン。オビ島のPTハリタグループ社は2番目の規模、2022年第1四半期の輸出額は7兆ルピア、またはトン数は134千トン。前年のニッケル輸出額は2.228兆ルピアで、その量は85千トン。2つの会社に加えて、2022年にフェロニッケルとニッケル銑鉄を64894トン、価値が2兆ルピアの輸出をする他のいくつかの鉱業会社もある。これら3社の総輸出額は、2022年の第1四半期に40兆ルピア。北マルクからの鉱業の輸出額は非常に大きい。

(5)ハルマヘラ島は、金属鉱山加工産業という大きな可能性を秘めており、計画ではニッケル鉱物の精練量は2億3800万トンで、そして、フェロニッケル合金(FeNi)に加工。年間1,100万トンのフェロニッケル合金を処理するには、700 MWのエネルギー需要が必要である。今後、電力供給が非常に大きな課題として、北マルク州の経済は不測世界情勢の中、電力問題は重要な課題である。
州投資ポテンシャリティー
(1)ニッケルをはじめとする世界の商品価格の上昇に伴い、フェロニッケル加工分野は、特に中国からの投資家をニッケル鉱業に投資するように引き付けていた。今後、北マルク州の経済発展を加速させるため、ハルマヘラを地域の所在地に応じて北ハルマヘラ(経済クラスター1)と南ハルマヘラ(経済クラスター2)の2つの工業群クラスターに分け、経済クラスター1は金属鉱業中心、経済クラスター2はより多様な高度産業の集積化を推進している。

(2)北マルク州の住民は、実際にはプランテーション、農業、漁業に多く依存。庭生産/一次生産の例としてゴム農園はラテックス(ゴムの乳液)、アブラヤシ農園の主な果物生産はフレッシュフルーツバンチ。カカオ農園の主な果物生産はウェットフルーツ(果汁)が主な作物である。

(3)北マルク州は東部インドネシアの天然資源とエネルギーが豊富な州、地熱などの代替エネルギー源の多くの可能性があり、世界の石油価格の上昇や世界の影響を受けず、来独自のエネルギー確保を実現できる州、にも関わらず、現在、ニッケル精練で電力不足と言われている。北マルクには最適に開発されていないエネルギー源がまだまだある。正に、電力開発は水力等含め今後の大きな課題である。