
パプア州経済産業概況
- 州経済産業概況
- (1)パプア州は天然資源が豊富で、経済的発展の可能性は非常に高いが、独立武装グループと治安部隊との抗争も定期的に発生し、外国人の入域は主要都市を除いて制限されている。現在パプアの経済は世界的なフリーポート金鉱山会社に依存し、ここでの金鉱石生産は露天掘りで行われ、まさにインドネシアの未来はパプアにあるとも言われている。
(2)パプアの豊富な天然資源が最適に活用されれば、インドネシアが2045年までに世界の4大経済大国に成れると世銀、IMFも発表している。 - 州資源概況
- (1)フリーポート・インドネシア社は、パプア州ミミカ県のテンバプラ高地で金、銀、銅の精鉱の探査、採掘を行っている。更に、それらの希少金属の加工、マーケティング等を世界的規模で行っているが、フリーポート・インドネシア社は、鉱業部門のインドネシア国営持株会社が過半数保有、その株式は国営イナルム・アルミ会社(51%)とフリーポート・マクモラン社(39%)が所有している。
(2)フリーポート・マクモラン本社は米国アリゾナ州フェニックスにあり、2007年3月19日、世界最大級の銅会社であったフェルプス・ドッジ社を、株式1株につき$88の現金及びフリーポート・マクモランの株式0.67株という条件で吸収合併した結果、世界的資源メジャーとなった。銅の副産物として、金、銀、モリブデン、レ二ウムを産出。銅だけでなく、他の副産物も市況が高騰していることにより、リーマンショック後の赤字経営から立直っている。
(3)フリーポート・インドネシア社の株式の51%をインドネシア側に売却され、更に、フリーポート・マクモラン社とイナルム社とのパートナーシップと政府とのパートナーシップ業務の拡大が約束され、フリーポート・マクモラン社とイナルム社と将来的に採掘産業の質と付加価値を向上させ、インドネシアの更なる開発と発展を推進することとなっている。
(4)また、フリーポート・インドネシア社株はパプア州政府とミミカ県政府も10%の株式をシェアーし、フリーポート・マクモラン社は特別鉱業許可への変更を含め、フリーポート・インドネシア社として加工および精製施設の増設により、生産オペレーションの延長許可を受けている。
(5)パプア州の面積はジャワ島のほぼ3倍の大きさ、金、銀、銅、ボーキサイト、ニッケル等の地下資源はまだまだ未開発で、森林の中に埋もれている鉱物埋蔵量は地下深く無尽蔵に存在していると言われている。又、自然の豊かさは、エネルギーや鉱業資源だけでなく、水産資源、鳥類や動物・植物の多様性等も開発の可能性も豊富と言われている。パプアのその他の鉱物エネルギーは石油、天然ガス、石油等化石エネルギー生産地は西パプア州ソロン地域。鉱資源物はパプア州グラスベルク中央山脈。資源開発と人間の調和こそ、太古よりの自然が残っているパプアでこそ実現させるべきである。 - 州投資ポテンシャリティー
- (1)パプア州には、価値の高い鉱物資源、豊富な林産物、大規模な発電所の河川資源、そして驚くほど美しい自然のパノラマなど開発の可能性が高い。インドネシア技術評価応用庁(BPPT)によると、パプア州のマンベラモ川は、ジャヤウィジャヤ山脈を流れて太平洋に流れ込む670 kmの河川で、水力発電能力量は推定12,284MWで、34か所の水力発電所の建設が可能とされている。
(2)地質学的には、パプアはオーストラリア大陸に入り、赤道直下の頂上で永遠の雪に覆われたジャヤ山(4884m)、其の他、スディルマン山脈、ジャヤウィジャヤ山脈、ステレン山脈の一部を含むマオケ山脈が連なっている。地形的に海岸から始まるパプアは、沼地、低地、高地、高山で構成し、パプア州の2つの主要な川は、北に流れるメンバーラモ川と南に流れるディグル川で、上流の2つの川は、マオケ山脈の融雪から水源を得、発電所の河川資源の可能性は計り知れない。他の水資源は湖から来ており、湖はとりわけパニアイ湖とセンタニ湖で、これらの2つの湖は、州民の生活の糧と利益を与えている。パプア人の生活形態は太古の5万年まえにアフリカから移住してきた原型を留めており、自然と一体となった彼らの生活・文化は開発と共に消滅させてはならない。
(3)パプア人とその文化形態はオーストロネシア人が氷河期以降、南下し、アジア各地にいたアボリジニ―達は南方、東方に移動、現在まで環境に適応して現存している子孫である。その文化はマルク、ハワイ、ニューカレドニア、そして、アフリカ大陸とも繋がっており、パプアの開発の意義は世界的な比較文化人類学上、非常に重要である。彼らは移動、混血しないまま、動物と同様にオーストラリア型になった。木、籐、美しい色の鳥などパプアのユニークな文化はユニークな湿った湿地の生態系とも関係がある。
(4)マルク地方とパプア地方に典型的なサゴヤシ澱粉より作るお粥の形の食べ物がある。無塩風味で粘着性があり、食物繊維が豊富で、カロリーが非常高く、糖分はほぼ無く、コレステロールが低く、非常に栄養価の高い食品(通常は強い香りの香辛料を入れる)。パプアのさまざまな沿岸および低地地域では、サゴヤシはさまざまな食品の基本材料。グリルサゴ、プレートサゴ、ボールサゴは、パプアの何処でも生育、特にマッピ、アスマット、ミミカ県の先住民の料理の伝統で最も広く知られている。サゴヤシの澱粉は讃岐うどんの材料として貴重で、毎年100トン日本に輸出されている。 サゴヤシは建築材としても利用価値があり、燃やす必要が無く、自然環境保全にとっても理想的プランテーションで、パーム樹は建築材にならず、故意に燃やすケースがあり、森林火災の原因にもっているが、サゴヤシは優れた防災、経済的、健康食でもあり、活用するべきである。サゴ澱粉が無いと、讃岐うどんのプリプリ感の食感は出ない。