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インドネシアあれこれ

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西パプア州経済産業概況

州経済産業概況
(1)西パプア州にある天然資源は、金、銀、銅、石油、天然ガス、木材、ツナ、エビ、海産資源、真珠、海藻等豊富で多種多様に亙っている。更に、豊富な天然資源に加えて、ラジャ・アンパット諸島の様な自然のままの状態の観光資源も多い。そのため、この地域には多くの観光名所がある。また、森林・鉱業の富を漁業、グリーン産業のアプローチと新再生可能エネルギー開発も可能性は高い。国営アネカタンバン鉱山公社は、子会社のPTギャグニケル(ギャグ島)を通じて、パプア島で採掘事業を行っている。

(2)インドネシア国会は2022年5月5日、パプアに新たに4つの地方自治州を設置する法案を承認し、南パプア州(州都メラウケ)、中部パプア州(州都ナビレ)、山岳パプア州(州都ワメナ)、南西パプア州(州都ソロン)が新設州となった。山岳パプア州はジャヤ・ウィジャヤ、ヤフキモ、トリカラ、マンベラモテンガ、ヤリモ、ラニージャヤ、ンドゥガ県よりなり、人口139万人、面積52千km2。南パプア州はメラウケ、ボベンディゴエル、マッピ、アスマットの県よりなり、人口50万人、面積127千km2。中部パプア州はナビレ、パニアイ、ミミカ、プンチャックジャヤ、プンチャック、ドギヤイ、インタンジャヤ、デイヤイの県で構成され、人口は139万人、面積は6万km2。南西パプア州はソロン、ラジャ・アンパット、南ソロン、タンブラウ、マイブラット県よりなり、人口は59万人、面積は3万km2、今後これらの州の開発は今まで以上に迅速化されるものと見られている。
州資源概況
(1)州内にはフリーポート・インドネシア社(PTFI)契約地域が多く含まれており、潜在的な金採掘地域としてリストアップされている。圏内の金埋蔵量は、1億1600万トン以上の金と銀の鉱石と推定されており、鉱石1トンには平均2.16グラムの金と1.76グラムの銀が含まれ、カットオフグレード(租金鉱石)は 1トンあたり約1グラムで、生産できる金の合計は810万オンスの純金と推定されている。

(2)ジャヤプラとその周辺には、ラテライト鉄、ニッケル、コバルトの潜在的な地域があり、ジャヤプラの近くにあるサイクロップ山脈は、パプアのかなり複雑な地質構造地帯で、この構造はソロン断層上にあり、その中の鉱物は非常に多様で、地質学的には、この断層地帯は、コバルト、ニッケル、鉄、白金、パラジウム、クロマイト(特殊ステンレス材料)の母岩鉱化作用としてオフィオライト(マントル構成物質)岩群が形成される特徴を有している。

(3)最初に発見された有望な鉱物金属ポテンシャルポイント は、フリーポート・インドネシア社の金鉱山の周りで、これらのポイントは、パニアイ、インタンジャヤ、プンチャック県に広がっており、係る金属の鉱物ポテンシャルには、高度の純金、銀、銅が含まれ、インタンジャヤだけで5ポイントあり、純度の高い金の可能性を秘めている。

(4)4つの新地方自治州地域は、金属鉱物、レアーアース、レアーメタル等、特に多くの金の可能性がある。ニューギニア島は未開発地域を含めて、恐らく世界最大量の資源の宝庫と言い得ると思われる。中部パプア州の一部となるインタンジャヤは、金、銀、銅の形で金属鉱物の潜在的な地域で、地域内の金鉱石埋蔵量は、1億1600万トン以上の金と銀の鉱石と推定されている。残りの部分については、未開発の自然林の中にあり、金属鉱物埋蔵地域は、パプア全土に少なくとも8つの地域がある。そのような金属の鉱物ポテンシャルは、ラテライト鉄、金、コバルト、ニッケル、砂鉄、銀、亜鉛、および銅等である。全体的に係る稀少価値金属有望地域は、97か所にも達している。
州投資ポテンシャリティー
(1)西パプアの開発の可能性は非常に大きく、鉱業分野とエネルギーの可能性は高く期待されている。採掘された鉱物資源、潜在的な林産物、農業開発のための土地、プランテーション、畜産、漁業、観光等の可能性は非常に高い。特に、世界を驚かせる天然資源を持つ西パプア、そのうちの1つはラジャ・アンパット諸島の観光資源である。イリアンジャヤは熱帯雨林に位置する熱帯の島、河川、美しいビーチ、湖、山々等が多く、最も高い山はジャヤ・ウィジャヤ山、絶景の万年雪をかぶった山頂は5,000メートルにも達する。

(2)パプアの観光セクターのプリマドンナ(主役)は3地域、内1つは、ラジャ・アンパット県、この場所は海洋観光で有名で、水中パノラマは世界で最も美しい場所の1つである。ラジャ・アンパット水域のサンゴ礁は世界で最も完全な自然状態にあると言われている。この世界に存在する537種類のサンゴの内、75パーセントはこれらの海域にある。

(3)一方、ラジャ・アンパットでは、一連の島々にニッケル埋蔵地域がある。中でも多量の埋蔵量の可能性の高いのはガガ島で、裸地であり、低木の木が生い茂っているだけである。地下には豊富なニッケルラテライト鉱石(ガルニエリット)が存在する。

(4)パプア州は十分な食料生産を生み出しており、米、サツマイモ、大豆、キャッサバ、トウモロコシ、野菜、ピーナッツ。マノクワリ地区は、米、ジャガイモ、大豆、野菜の生産地。一方、ソロン県はトウモロコシと緑豆の生産の中心地で、ソロン市はキャッサバ生産の中心地でもある。サツマイモとピーナッツの生産の中心はラジャ・アンパット県、さらに、唐辛子の生産の中心はビントゥニ湾沿岸である。サゴヤシはビントゥニベイ県、カイマナ、ウォンダマベイ、南ソロン県に広がっている。

(5)西パプア州は農業、鉱業、林産物、観光など、大きな可能性を秘めている他、真珠と海藻はラジャ・アンパット県で生産され、又、ティモール布と呼ばれる唯一の伝統的なイカット織り産業はソロン県で生産されている。香りのよいナツメグシロップは、ファック・ファック地区が生産の中心地である。最近、フランスの洞窟探検隊によって世界で最も深い洞窟がマノクワリ県アンギ地区イラメバ村のリナ山脈地域で発見された。洞窟の深さは2000メートルと推定されている。西パプア州の山岳地帯には、秘境で人類未踏の興味ある冒険地域が多い。自然環境が太古の原形のままの地域が殆ど残っている。