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インドネシアあれこれ

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西スマトラ州経済産業概況

州経済産業概況
(1)州都パダン地域は華人も進出できない程、パダン人は経済力とネットワークを有し、西スマトラ州の主要観光地はパダン人が制していると言われている。西スマトラ州はインドネシアの主要な観光地の1つで、良質の観光施設だけでなく、様々な国際的な祭りやイベントが多く開催され、シンカラク・ロード自転車レース、マニンジャウ湖パラグライダーイベント、メンタワイ諸島国際プロサーフィン選手権大会等がある。更に、雄大な自然のブキティンギ高原は世界的にも有名で、ミナンカバウ文化等観光開発の可能性は非常に大きい。ただ、インド洋沿岸に起きる定期的な大地震は津波も伴い、大災害に繋がり、経済開発と共に地震等自然災害対策は、一刻も早く実施するべき課題である。

(2)西スマトラ州パダン港(テルク・バユル港)はオランダ時代から西欧からの蘭領インドネシアの出入国の窓口、ハッタ元副大統領、世界イスラム会議議長のモハマッド・ナシ―ル等先見の明のある政治家、宗教家等が多く輩出している。女系家族の伝統により、男子は成人すると家から出て行かなければならない慣習があり、パダン故郷料理は全国に普及したと言われ、パダン人の経済センスとインドネシアの経済発展とは少なからず関連がある。

(3)2020年の西スマトラ州の外国投資は計16カ国より、最大投資額はシンガポール、オランダ、マレイシアなどの他香港、中国、ドイツ、オーストラリア、ベルギー、インド、ブラジル、英国、フランシス、南アフリカ、スペイン等、計67. 572,000米ドル。内資は国内19の州、県・市にまたがっている。
州資源概況
(1)西スマトラ州の天然資源は石炭、鉄鉱石、ガリーナ石(方鉛鉱、銀色)、鉛、亜鉛、マンガン、金、石灰岩(セメント)等。農林水産資源はパームヤシ、ココア、ガンビル(仁丹の材料、漢方)、西海岸やメンタワイ諸島の海域には経済的価値の高いロブスター、ツナ、カツオ等数多くの漁獲量があり、沿岸漁民はハタ、エビ、海藻、カニ、真珠等が主な水産物。陸地、沿岸地域、丘陵地帯と山岳地帯等にはゴム、丁子、コショウのプランテーションが多く、最近は耕作地を換金性に有利なパーム農園に代替する傾向が強い(一方自然破壊にも繋がっている)。

(2)森林におおわれた山岳地帯は木材を生産し、急な丘の中腹が多数あることによる起伏の多い地形も農業およびプランテーションとして利用、農林部門は開発ポテンシャリティーも高く、豊穣の地故、発展する可能性は高い。

(3)西スマトラ州は石灰岩を多く産出し、セメント産業は有名である。石灰岩はパダン周辺、シンカラク湖周辺、パダンパンジャン周辺にて豊富に産出されている。パダンパンジャンの採掘可能な石灰岩鉱床は4300万トン、他の大量資源鉱床はサワフルント石炭(オンビリン良質炭鉱、世界ユネスコ遺産)、パダンパリアマンの黒曜石と安山岩等がある。他方、水銀、硫黄、砂鉄、銅、鉛、銀等の採掘資源は、シジュンジュン、ダルマスラや、ソロク、南ソロク、リマプルコタ、パサマン、タナダタールの各地区にて産出し、砂、石、砂利等の資源はほぼ州内全体に産出されている。

(4)豊富な水源も州内地域の開発に多くの利益をもたらしている。シンカラク湖とマニンジャウ湖の水は長い間水力発電所として使用され、この水源はまた、浄化処理され、ミネラルウォーターとしてビジネス化の大きな可能性を秘めている。ソロック湖上水道プロジェクト(JICA、総務省支援)、では、豊橋市は日本と同質の飲める上水道を作り、評判になった、

(5)南ソロク、シジュンジュン、ダルマスラヤ市・県地区の源流から始まるバタンガリ川流域に沿って、金鉱山や岩石鉱山などの過剰な資源利用活動は、政府の監視と監督が不十分で及んでいないと指摘されている。西スマトラ州は多くの貴金属採掘活動、鉄鉱石、大規模プランテーションを抱えた「ゴールデン・フロア・カントリー」として知られ、豊富な天然資源を産する南ソロク県の環境管理は、県政府の直接管理下には無く、企業の責任とされている。南ソロク県は314,353ヘクタールの面積を有し、35の鉱物採掘許可を発給している。
州投資ポテンシャリティー
(1)西スマトラ州はインドネシアの主要な観光地の1つ。インド洋に面した西スマトラ州には、海、ビーチ、湖、山、渓谷など、ほぼすべての種類の自然のアトラクションがある。さらに、西スマトラ観光は、タブイク・フェスティバル、レンダン・フェスティバル、キムゲーム、織物アートなど、その独特の文化が体験できる。自然と文化の観光に加え、西スマトラはパダン料理ツアーでも有名。西スマトラ州には、ホテルや旅行代理店などの観光宿泊施設が整っており、これはかなり良い。州内には220軒以上のホテルあるが、5つ星と4つ星ホテルはパダンとブキティンギにしかない。

(2)ミナンカバウの歴史と文化に関するさまざまな情報や文献については、パダンパンジャンのミナンカバウ村にあるミナンカバウ文化書物情報センター(PDIKM)で入手できる。PDIKMには、顕微鏡写真、新聞、伝統的な衣服、民謡録音テープ、政府の手紙文書、18世紀から19世紀、20世紀にかけてのミナンカバウ族の歴史的プロットなど、さまざまな文書がある。 パダン・ 西スマトラ地域は、国内外の投資家ににとっては豊富な天然資源の関心投資先となっている。

(3)西スマトラ州における大企業と中規模産業の投資額は全体の95.60%、他方、中小規模企業投資は投資額は全体の4.40%。そして大・中規模企業の生産額は全体の60%、小規模産業の生産額は全体の40%。又、2009年以降、震災後の州経済復興はサービス部門(7.38%)の再活動を手始めに牽引する形となり、州内の非常に重要なサービス部門となり、金融、ホテル、レストラン、旅行代理店等州のホテル観光業の成長は非常に堅調である。

(4)州内経済特区の2つの観光投資部門は、この地域での投資活動を奨励し、西スマトラ州の地域住民の収入(PAD)増のために大規模投資を推進。2020年第2四半期の西スマトラ州における内資と外資の投資実績は36.28%増。内資の投資額は2兆8,000億RPまたは21.97%増、一方、外資は1億2,500万米ドルに達し、投資額は54.26%増。海洋・漁業投資は、日本へのマグロ輸出にも貢献している。同様に、パームヤシの形でのプランテーション部門への投資により、海外市場への輸出増にも貢献している。

(5)西スマトラ州の開発推進に関するネガティブ・リスト投資分野領域は次の2つのカテゴリーがある。(イ)保護地域に位置する地域(保護森林地域、保全および集水域、沿岸境界地域、河川境界地域、湖/貯水池周辺地域、州境地域、緑地オープンスペース地域、自然保護区地域、野生生物保護区、マングローブ林沿岸地域、国立公園地域、森林公園地域(タフラ)、自然観光公園地域)、(ロ)災害多発地域(土砂崩れ多発地域、潮高波発生地域、洪水多発地域)にある地域。因みにこれらのカテゴリーは他州も同様である。
投資・ワンストップ統合サービス
(1)州内投資の迅速化、特に観光、プランテーション、漁業分野等に関し、西スマトラ州投資・ワンストップ統合サービス(DPM PTSP)事務所がある。この新規サービスは、最初は南ソロック県のムアロ・ラブアのス―プリーム・エネジー社による地熱発電所分野への投資をサポートし、現在既に稼働し、投資額は6兆ルピアになっている。その他、アガム県などの観光部門への投資についても、メンタワイ諸島の特別な経済観光地域と、現在まだ建設中のパンタイ・セラタンのマンデの特別経済観光開発地域の投資の可能性は大きい。

(2)これは外国投資家が簡単に投資・営業許可を取得・運営・管理するために、西スマトラ州投資・ワンストップ統合サービスを設置し、係官は、州同サービス事務所を通じて、支援・サポートしている。現在、オンライン単一共通(OSS)サービスを通じ、簡単なオンラインにより申請を受理・処理している。