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南スマトラ州経済産業概況

州経済産業概況
(1)南スマトラ州都パレンバンは西暦7世紀から12世紀にこの地域に存在した史上最大の海上王国スリウィジャヤ王国の中心地で、マラッカ海峡を背に貿易・商業の拠点としても栄えた。パレンバン港はインドネシアで最強の王国の王都として、その繁栄と影響は中国、アフリカ大陸のマダガスカルにまで達した。

(2)南スマトラ州の肥沃な天然資源は石油、天然ガス、石炭、地熱エネルギー、更に、農業とプランテーションはアグロビジネスとして重要産業である。又、広大な森林資源があり、建築材料、および家具材を生産。南スマトラの総森林面積は3,487千ヘクタール。石炭の埋蔵量は181億3000万トン。パレンバンは、第二次大戦当初、日本軍はこの地の石油精製基地を制圧し、対米戦争を有利に進めよう侵攻したが、その背景は南スマトラ州の肥沃な天然資源であった。

(3)農業とプランテーションは肥沃な土壌が必要条件、南スマトラ州の広大で肥沃な地域はゴム、パーム、農産品のプランテーション産業に最適環境である。有望な食品部門の潜在的な天然資源地域としても南スマトラは広く知られている。南スマトラの主な農産物は米、トウモロコシ、大豆、一方、プランテーション部門はゴムとパーム油の形で主要産品を生産している。米生産(収穫)面積は810,900ヘクタール、毎年土地面積は増加しており、面積の増加に伴い、コメの生産量は3,670千トンに達している。トウモロコシ生産面積は31,939ヘクタール、生産量は191千トン。南スマトラ食糧増産計画実施の為の必要新規水田面積は452千ヘクタール、灌漑、排水施設のリハビリ改修、マイクロ水管理、アルシンタン(小型トラクター、ウォーター・ポンプ)の開発、優れた種子開発、施肥、営農支援活動を強化している。
州資源概況
(1)南スマトラ州の石炭埋蔵の中心地はムアラエ二ム、ラハット、ムシ、バ二ュアシン、ムシラワス県、石炭の質は褐炭タイプで、カロリー量は4800~5400kcal/kg。ムアラエ二ム県でPTブキットアサムとPTブキットケンディによって運営され、マレイシアへの輸出ニーズに加えて、現在危機的な状態にあるジャワとスマトラの電力不足と、産業、商業、家庭、および比較的大量の輸送のためのエネルギーとして提供している。南スマトラ州の石油開発・生産は国営会社プルタミナとその子会社、及びパートナー関連会社により運営されている。

(2)南スマトラの地域的重要性は資源と電力提供にある。まず、スマトラの戦略的位置の重要性として、ジャワとシンガポール・マレイシアの間のスマトラ島南部にあり、石油、天然ガス、石炭、地熱などの南スマトラのエネルギー資源を提供している。そして、それらの資源は豊富に存在、特に電力開発と燃料及び産業エネルギーの供給を通じて、インドネシア・アセアンの地域の安定にも寄与している。南スマトラはエネルギーの巨大埋蔵地帯でもある。ガス発電と火力発電による南スマトラ電力を、ポテンシャルの高い低カロリー石炭燃料を建設し、現在危機的な状況にあるジャワ島とスマトラ島の電力不足にも対応している。マレイシアへの輸出と、産業、商業、家庭、及び比較的大量の輸送の為のガス燃料の提供面でも南スマトラ州の戦略的役割は非常に重要である。

(3)南スマトラの森林地帯の大部分は、オガンコメリンイリル県、ムシバニュアシン県にある。南スマトラの森林種類は、保護林、自然保護区、固定生産林、転換生産林、および限定生産林で構成。最も重要な林産物の中には、工業原料、建築材料、および家具に必要な木材がある。南スマトラの総森林面積は3,487千ヘクタール。585千ヘクタールの保護林、803千ヘクタールの自然保護区、214千ヘクタールの限定生産林、1,711千ヘクタールの固定生産林、72千ヘクタールの転換生産林。総森林面積のうち、約23.12%がオガンコメリンイリル県所有、18.75%がムシバニュアシン県の所有である。

(4)南スマトラ州のプランテーション産品も、農業が依然として南スマトラの主力産企業セクター、政府にとって重要事項は、州の統計局データに基づくと、プランテーション生産は年々生産結果に変動があり、ゴムの主力商品は、大企業と住民のモプランテーションの両方で依然としてプリマドンナ(主役)。130万ヘクタール以上の面積で、約100万トンの農産物を生産。一方、パーム油の生産量は、大規模プランテーションと小規模プランテーション企業から生産され約190万トンの生産量がある。

(5)南スマトラの漁業は豊富な天然海洋資源、インドネシアで5番目に長い川であるムシ川双方の広大な水域面積によって支えられている。州内漁業生産は、海洋漁業と内陸漁業の両方で非常に多くの漁獲量を挙げている。海洋部門では、水産物の生産に加えて、観光部門でも発展する可能性を秘めており、南スマトラでよく知られている海の観光には、マスパリ島ビーチ、ソンサンビレッジビーチ、ボンゲンビーチなどがある。州内の漁獲量は増えており、大規模漁業の可能がある。ムシ川などの大きな河川の流れとかなり広い海水の自然条件は、漁業生産の継続性を支える要因。漁業生産量は856千トン。しかし、船が不足、最近は583千トンに減少。南スマトラ州の海洋資源は、豊富な水産物で開発の可能性は非常に高く、現在の南スマトラ州漁船登録は40,159隻、殆ど古く、小型漁船が中心。

(6)州内の良好な気候と効果的家畜生産の開発に適した土地の利用可能性は非常に大きく、州内で広く飼育されている家畜は、酪農牛、肉牛、山羊、羊、豚、家禽など。家畜事業は肉、卵、牛乳などの動物性食料源に対する州民需要を満たすため、農家で開発されたさまざまな種類の家畜、飼いの鶏、産卵鶏、ブロイラー、アヒルなど広く飼育、州畜産局データによると、肉牛の個体数は245千頭、毎年の屠殺件数は86千頭。

(7)スリウィジャヤ王国はカリアンダとケダトン(アレクサンダー遺跡)での発見と同様に、モンクメール国家の一部であるメコン川を通って移動したアシュール人(古代アジアに移動した人種)に由来する痕跡と伝統を見つけることができ、観光資源としても有望で、過去の南スマトラ州は、ブミ・スリウィジャヤ(スリウィジャヤの大地)として知られていた。
州投資ポテンシャリティー
(1)2022年第2四半期の価格に基づく域内総生産(GDP)は、142.81兆ルピア、陸海空のインフラ予算、関連施設の増強等、国防関連施設も多く、国防社会保障事業分野が20.96%と最も高い比率。一方、支出に関しては、政府支出(PK-P)は20.83%の成長。2022年の第2四半期の州の経済は、5.18(前年比)の成長。生産面では、宿泊・飲食事業分野収入が18.61%と最も高い成長で、貿易面では外国輸出、12.32%。工業生産面では、鉱業・採石事業分野収入が9.47%と最も高い成長であった。

(2)地域開発と農民開発は、競争力を高め、地域の経済成長を高め、地域の不平等を減らし、地域社会の福祉を改善、貧困を緩和することを目的としている。地域開発・農民開発の目標を実現するためには、各地域のポテンシャルや課題、実情に合わせた開発戦略が必要 。地域開発を加速するためには、福祉に幅広い影響を与え、地域や他のセクターに乗数効果をもたらす可能性のある主要産品に重点を置く必要がある。南スマトラ州で開発に値する優れた農産品を開発するため、分析手法は、位置指数 (LQ) 法と動的位置指数(DLQ) 法の組み合わせ、開発商品はゴム、パーム油、コーヒー、コショウ、ココア等が有望。LQとDLQを組み合わせた分析で、4つの類型タイプを開発、農民預託ベース、開発が見込まれる商品は、開発と地域開発の目標を実現するため、それぞれの地域のポテンシャル、問題、状況に合わせ開発戦略を策定している。