
資源大国インドネシアと技術大国の求められる関係
- 1.資源大国インドネシア
- インドネシアは世界史の中に占める位置付けに於いては有数の資源大国、それは太古の昔から、そして現在、更には将来に亙ってもその意義と位置付けは変わらないものと思われる。
米国のコロンビア大学のAPEC Study on Indonesiaという表題の研究分析資料によれば、インドネシアの地下資源は多岐にわたり相当量の埋蔵量を有している。そして、多くの石油・LNG・石炭等エネルギー資源を生産する他、パーム、ゴム、林業、水産分野のアグロインダストリーにおいても世界有数の生産量を誇っている。インドネシアは東西南北の重要な通商ルートであるマラッカ、ロンボック、マカッサルの3つの国際海峡を擁し、地政学的にはその重要性は非常に高い。 - 2.今後の日本とインドネシアの望ましい関係とは
- 今後、資源・エネルギー等は今までの様に金を払えば何時でも購入できる時代ではなくなりつつある。食糧もエネルギーも日本は先進国中ほぼ自給率は最下位、今後の日本の将来は危うい状況であると多くが危惧している。日本は国民レベルでは環境開発技術、農林水産技術、再生可能新規エネルギー技術等多くを有している。日本とインドネシア程相互補完関係にある国は他には無い。つまり、インドネシアの有望な天然資源・人的資源と日本の技術は相互マッチングするのが多い。農林水産分野のアグロビジネス、食糧増産、環境保全とCO2対策、再生可能新規エネルギー開発協力、少子高齢化対策とインドネシア地方開発・日本国内活性化、二国間産官民学リンケージ協力等の推進が期待される。インドネシアには数多くの日本留学生、研修生がおり、主要な者は大学学長、長官、各省次官、総局長、局長、州知事等重職に多くの者が就いており、彼らとのリンケージ協力こそが今後求められている。